点心、飲茶
広東料理の達人
 

月餅(げっぺい)

中華料理は世界3大料理の一つとして、日本のみならず世界の人々に親しまれています。「お好きな中華料理は何ですか?」と質問したところ「餃子、シュウマイ、中華まん、エビチリ、八宝菜」など日本人は多くの中華料理のメニューを次から次への名前を読み上げます。しかし、「お好きな中国のお菓子は何ですか?」に対して多くの人からは、返事が返ってきません。4000年以上の歴史を誇る中国は、食文化が非常に豊富です。これは料理だけではなく、お菓子でも言えますが、その中でも月餅は、中国の人にとっては無くてはならないお菓子です。

月餅の象徴は?

月餅は中国の伝統的なお菓子として、中秋節(陰暦の8月15日、中国語でzhongqiujieと発音します)になると中国のデパートとスーパーのお菓子売り場は月餅一色で埋め尽くします。中国語で月餅はyuebingと発音しますが、餅は日本のお餅の意味ではなく、小麦粉で作った料理やお菓子によく使われます。中国には3つの大きな伝統祝日がありますが、その中で中秋節は最も大事な祝日です。中秋節に決まって食べるお菓子は月餅で、円い形は家族団欒(だんらん)を象徴しています。

月餅は縁起物

月餅は、中国の人々が家族への強い思いを表した縁起物です。中国の人は、円い形をしたものを非常に好みますが、中華料理屋さんの円いテーブルはその典型的な例です。中国の人は中秋節に、家族全員で円いテーブルを囲み、月餅を食べます。遠くにいる家族もこの日だけは極力家に帰りますが、どうしても帰れない時には夜、月が出ている方向に向かって座り、家族を思いながら月餅を食べます。中国の人は、中秋節の夜の月は1年の中で一番円く、美しいと思っています。月の形をした月餅は、言うまでもなく縁起物です。

月餅のほかにスイカ?

日本では中秋の名月に栗、とうもろこしなど秋に収穫した野菜を飾りますが、これは中国から伝わってきた習慣です。しかし、中国と日本では飾るものが少々違います。中国には中秋節にスイカ(西瓜)、りんご、なつめ(棗)、すもも(李)、ぶどう(葡萄)などを供える風習があります。この中で月餅とスイカは、絶対欠かしはいけない供え物です。スイカは蓮の花の形に切って、月の方向に向けて置くのが決まりです。

月餅を分けるのは主婦の役目

中国では中秋節の夜、円いテーブルの上に赤いロウソクをつけ飾ります。結婚式などめでたい時には、赤いロウソクをつけるのは中国の風習です。家族の前で、その家の主婦が一つの月餅を家族全員分に分けます。家にいる人の分だけではなく、用事で外にいる家族の分まで考えなければなりません。家族が多い家庭では一つの月餅を何等分もしなければならないので、そんなに簡単なことではありません。しかし、縁起物を家族で分けて食べるということに意味があります。家族全員が心を一つにして、仲良く生きていくという願いからこのような決まり事ができたに違いありません。

日本の月餅

日本で月餅といえば、横浜中華街、中村屋を思い出す人が多いようです。横浜中華街の月餅は、横浜に直接行かなくてもネット通販で簡単に購入することができます。一つのお値段は500円以上もするので、お菓子としては少々高いです。しかし、ナッツ、松の実、胡桃(クルミ)、レーズン、ゴマなど様々素材をたくさん使っているので値段が高いのもよく分かります。月餅は大きさにもよりますが、結構カロリーが高いお菓子です。中村屋の月餅は、横浜中華街で普通に売っているものより小さいですが値段が手ごろで、一人でも食べきれるサイズです。

中国の月餅

中国の月餅は、何百種類あるか分かりません。甘い味が主になっていますが、塩味も最近非常に人気があります。広州の月餅は、皮が薄く中身がぎっしり詰まっているのが特徴です。皮と餡の割合は2:8になっているので、餡がいかに多いか想像にお任せします。北京の月餅は、皮と餡の割合は4:6で、餡の甘さを極力控えているので、健康ブームの現在では大変好評です。蘇州の月餅は、中国のその他の地方に比べると大変甘いですが、多種多様な餡を使っているのが特徴です。

広式月餅

中国にはクルミ、黒ゴマ、ナッツ、小豆の餡だけではなく、ハム、マンゴー、イチゴ、梨、パイン味の月餅もあります。中国茶と一緒にいただくと口当たりがさっぱりして、胸焼けもしません。広州では飲茶セットとして、小さいサイズの月餅をウーロン茶と一緒に出すことがあります。とても小さく作られていますが、味がしっかりしていて大変好評を得ています。


月餅


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